焼結部品を製造するための2つの基本的な要素は、金属粉末と金型です。これらを用いた焼結部品製造の基本的な工程は、粉末混合、成形、および焼結の3つで構成されています

原材料
焼結部品の原材料は常に金属粉末です。製品の必要材料特性により、粉末の化学組成を決定する。用います金属粉末は、純金属(鉄、銅)、または合金粉末(青銅、真鍮、鋼など)です。異なる性質の粉末(スポンジ状、不規則状、球状、層状)があり、部材に独特の特性を付加します。
混合
ベース粉末に、最終材料の組成に応じて異なる合金元素(グラファイト、ニッケル、銅,…などの)、および有機固体潤滑剤(粉末を圧縮するために必要)、場合によっては特殊な添加剤を添加し、混合します。材料化学組成は、厳格な粉末加減および工程の制御により保証されます。このことは材料の機械的、物理的または化学的特性を達成するために非常に重要です。
金型
粉末混合物は最終部品の金型に充填され圧 縮成形されます。金型は非常に精度と耐久性に富んでいます。金型の製造とメンテナンスにはSMED技術が使用されます。
金型の製造とメンテナンスにはSMED技術が使用されます。
成形
混合粉末は金型のキャビティに自然落下により充填されます。その粉末に、成形体の必要密度に応じ、200〜1,500 MPaの圧力で単軸圧力が加圧されます。圧縮体は金型から抜き出されます。これを成形体(green part)と呼びます。成形体はある程度の機械的強度を有し、取り扱いができます。
成形工程は部品の個々の特性を基準生産管理(SPC)制御によって統計的に保証されます。
焼結
焼結は成形体を基材金属の融点よりも低い温度で所定時間だけ加熱する熱サイクルです。高温で焼結すると、粉末粒子間が固溶接合し、合金成分は固体拡散による基材に拡散し、合金化します。
焼結は連続炉を用い、制御された速度の下で、制御された化学組成を有する雰囲気中で行われます。焼結は、通常、材料と焼結体の必要特性に応じて750〜1300°Cの温度で行われます。
これらの基本的な製造工程により、ある程度の微小気孔、高い寸法精度、および、部品機能を満足する上で十分な性能を有する金属部品が製造されます。